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5月14日(金) ベナン隊員への洗礼

Vendredi,14,mai,2010
Recevpore le baptême comme le JOCV du BENIN


活動も残り1か月近くとなった。
先輩隊員たちは、残りの1か月は、なんだかみんな活動が忙しそうだった。
それを見ていた私。
当初の私は、最後の1か月は、ゆっくり迎える!という計画だったのに・・・。

妊産婦対象に、外来の待合時間に見れる映像の啓発教材を現地語で作っている。
ビデオで撮影して、それをパソコンに入っているムービーメーカーとDVDメーカーで編集するのが私の仕事。
一緒に作っているのは、ベナン人助産師の同僚。彼女が現地語で話してくれる。
彼女が日本へ研修に行っており、帰ってきてからも続けていろいろなテーマで作っていくはずだったが、なかなか進まなかった。
約束をしてもすっぽかされることが1度や2度ではない!!

そして、つい先日、
「本当に、どーするの?私、6月にはベナンを離れるよ。するかしないかは、あなた次第。」と投げ捨てた。すると、急に焦った彼女。
毎週、仕事が終わった後の月金が撮影日となった。

そして、今日は、ベナンの休日。昨日もキリスト教関係で祝日。つまり4連休なのに。
約束の10時に遅れることなく、むしろ彼女が先に来ていた。

撮影したのは4本。

以前から、母親学級の内容について、話をしていたが、
私にとっては、しっくりこなかった。
「1回1時間、1か月に2回。テーマは、18個。1回に1つのテーマを話す。」
という彼女のプラン。
でもさ、よくよく考えると、
一通り母親学級に参加するには、9か月かかる。
で、妊娠に気づき、初診で外来に来て、母親学級の存在を知り
(ベナンでは、初の母親学級のため、妊婦さん達には周知されていない)
参加するとなると、間に合わないよ~。

で、4テーマを撮影した今日、すらすら話をすると1時間で何個かのテーマを話すことができることに気づいてくれた。
私としては、「待ってました!!」です。
妊娠初期、中期、後期向けに、こんな内容ですると、妊娠週数に合った話もできるし、話の流れがよいと、何度も言っても分かってくれなかった。
私のフランス語も問題なのだろうけれど、
それよりも、考え方、やり方が、日本とは全く違う・・・。
一つのことを勧めるのにとても一苦労。

すっごくやる気を出したようで、いいことなんだけれど。
ゆっくり最後を過ごしたかった・・・。
私も、ベナン隊員としての洗礼を、受けました。。。

これから1か月、
DVD作成、JICAへの報告書、活動先への報告書と報告会と提言の提出。
そして、彼女が日本で学んだ研修内容のフォローとして栄養バランス表を妊婦さん向けに作り…。
あー、フランス語で頭がおかしくなりそう・・・。
最後のフランス語特訓です。

5月11日(火) 検査室見学

Mardi,11,mai,2010
Visiter le Labotatoire


検査技師の仕事ってどんなんだろう?
ベナンって、どんなふうに検査しているんだろう?

検査技師さんに知り合いができたので、見学させてもらった。

病院では、血液型、血液検査、尿検査、膣培養などさまざまな検査が行われている。

培養検査室
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―血液型の検査方法―
血液型は、3人の検査技師さんが、1回ずつ各々検査を行い、合計3回チェックしている。
ダブルチェックならぬトリプルチェック。
各患者の血液と血清をボードに並べる。
そして、抗A型、抗B型、抗AB型、抗D(Rhを調べる)の試薬と混ぜ、反応を見て検査。
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赤ちゃんは、血清での検査はなく、血液のみ。
結果は、記録用にノートに手書き。そして、検査結果用紙には、検査結果をハンコで記す。

―マラリア検査方法―
採血した血液をスライドグラスに乗せて、3種類の液で染色し、顕微鏡でマラリア原虫を見てカウントする。
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日本の無償資金援助で入ったたくさんの機械が大活躍していた。


日本にはあまりないけどベナンにある疾患、ベナンにあまりないのだろうけれど、日本にはある疾患もある。
その中で、最近わかったのが、妊産婦のカルテにHb=AA、Hb=AS、Hb=ACなど書かれている事。ずっと、貧血の度合いでもあらわすのかと思っていたけれど(Hbがヘモグロビン)実は、そうじゃなかった。
Drépanocytoseという疾患で、日本語では、鎌状赤血球症。
結局、検査技師のリチャードさんに詳細を教えてほしいとお願いした。彼は、わざわざ、事前に資料を用意してくれて、説明してくた。

鎌状?マラリア?鎌状赤血球?
看護師隊員に聞くと、教科書に載っていたらしいが、そんなのさっぱりサラサラ覚えていない。
結局は、ヘモグロビンに種類があり、S、A、C、D、Eの遺伝子があるらしい。
親からひとつづつもらい、SA型やAA型などというように決まる。
赤道・熱帯地域のアフリカ黒人、アンティル諸島(西インド諸島)やアメリカの黒人、時には中央アジア、サウジアラビア、インド、まれにトルコ、ギリシャ、マルグレブにもある。
赤血球の酸素運搬能力、赤血球の変形性と流動性の低下でさまざまな体への影響が出るらしい。
そして、Aの遺伝子は、全く問題ないが、Sの遺伝子はよくない(劣性遺伝らしい)。
なので、リチャードから聞いた話だが、結婚をする際に、事前にに調べ、AS同士ならSSの子供が生まれる危険性があるため、結婚を断念するということもベナンではあるんだって。
そして、その説明を終わったリチャード。
「真由美、調べるよ!」って。
まじ?!
いやいや、JICAの顧問医以外のところで採血するなんて怖い。。。
いろいろ言ったが、結局強引にさせられた。

翌日、結果は、AA。
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ベナンお決まりですよ。「誰とでも結婚できるから、ベナン人と結婚して残りなさい。」と。

ベナン人との結婚を勧めてくれたリシャードさん
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ちなみに、スピッツは、使い回し。
看護助手さんが洗って、煮沸してオートクレーブにかけるそうです。
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5月6日(木) 国際助産師の日

Jeudi,05,may,2010
Journée internationale de la Sage-Femme


ベナン助産師協会が発足されて20年目。
今年は、16回目の会合で、首都で行進したり、夜、パティーが開催されたりと盛りだくさんの1週間のスケジュールがあった。
この日、勉強会があり、ベナン事情探検で私も参加した。
プログラムもきれいな用紙に印刷されている。
8時半受付開始。9時スタートなのに・・・
結局、9時になっても全然開始せず、参加する人のためにメモやボールペンなどを配り、
「第20回助産師の日」のポスターを張り、10時を過ぎ、11時を過ぎ・・・
やっと開始。
「あ~、2時間遅れかぁ」なんて楽観的な私。しっかりベナン感覚が身に付いた。

内容は初歩的なことがほとんどで、ちゃんと記録しましょうなどの話もあったり、
今回は私の職場の分娩部と外来の助産師長が、病院で取り込んでいるフリースタイルや母親学級のことを紹介した。

ある人が発表したら、誰かが大きな声で「助産師の歌」を歌いだし、そのあとみんなが加わって歌いだし、そのうちみんな立ち上がって、何人かは歌のアレンジなんかして、なかなか上手に歌う。
ベナン人は、本当に歌が上手。
みんな歌えるし、道路を歩いていても、タクシーに乗っていても、いきなり歌いだすし、仕事中にも、いきなり歌いだす!
生活の中に、溶け込んでいる感じがする。


Ne puls mourir en donnant la vie
C’est la devise de la famme
Ne puls mourir en donnant la vie
C’est la devie de l’equipe SOMU…
命を守るから、もう死なせない。
これは女性のスローガン。
命を守るから、もう死なせない。
これは、緊急医療のスローガン。

という内容の歌。
勝手な私の訳だけれど、
フランス語、ジーンとくる。
誰かが発表したらすぐに歌いだし、一日で何度も歌った。

仕事をしていると、時には、犠牲になるママや赤ちゃんを見ていると
許せなくなって、時には、同僚を憎みたくなることもあった。

だけど、みんな歌って、踊って(アフリカなので)、を見ていると、
私も、ベナンの助産師さんたちも、みんな志は、同じなんだと感じた。

でもさ、もっと時間を守ってほしいなな。
昼ごはん、18時過ぎに食べるんやもん。
それは、ないでしょ~。
それとも、まだまだ、私は、ベナン人になりきれていないのか・・・

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5月5日(水) 漂白剤工場

Mercredi,05,mai,2010
Fabrique de l’eau de javel



手洗い後の手拭きタオルをJICAが支給した。
しかし、さっぱり使ってくれない。
その一つの理由が、
「タオルを漂白剤で洗っていないから」と言われた。
そう答えたのは、最近、部署移動でやってきたかなり働き者のおばちゃん助産師、ミッシェルさん。
彼女は、他の助産師と異なり、ほんとーーーっによく働く。
患者さんが来れば、すぐ診察。
チャチャっとやって、カルテもさらさら記入し、あと言う間に患者さんの診察が終わる。
ちょっととろい日本人のスピード。
すごい!!と私は、大興奮。
思わず、「私、ミッシェルのこと大好きだよ~❤」「ミッシェルの仕事は、日本人のように早い!!」と言ってしまうくらい。それを聞いたミッシェルは、笑っていました。

今となっては、ベナン人化した私よりも、相当働きます。尊敬。。。
あー・・・、ワタシ、ニホン デ モウ ハタラケナイ。

ミッシェルは、そんなわけで、自分自身で、タオルを持ってきている。
漂白剤を使って洗っていないタオルは、手を洗っても汚く、汚い手で帰ったら、病気を家に持ち込んでしまうというのが、彼女論。
ベナンの人は、漂白剤が大好きで、床の血液汚染も漂白剤を使用する。

その漂白剤、どこまで効果があるのか、エビデンスがどうなのかは、まだ調べれてませんが。

漂白剤がない。
在庫管理ができていない。
これが問題ということで、私は、医長に直談判。
医長は、助産師長に漂白剤を使って洗うように指導してくれた。

そして、漂白剤、何と病院で作っている。

漂白剤工場ツアーを、した。

こんなところで作っていたらしい。
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レシピは、水150ℓと市場で売っている塩4.5kg。
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これを桶に入れて、大きな木のしゃもじのようなもので混ぜて2時間機械にかける。
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出来上がったものは、検査室へ持って行き、品質チェック。
合格した物が使われる
というシステム。

今現在、その機械が壊れている。
10年前からずっとフル稼働だったらしい。

もう一台の機械(4時間で200ℓ)もあるのだが、それも壊れており、部品の購入費用が保健省からおりるのを待っている。

結局、お金の問題になる。

4月16日(金) 帰ってきてから

Vendredi,16,avril,2010
Aprés être revenir


活動再開です。
ブログを振り返ってみると、随分活動のことを書いていないので、久しぶりに書いてみることにします。

ずっとURGENCEで活動してますが、状況は変わりません。。。
正直、この半年、医長でさえ約束しても、カウンターパートと話し合いたい事を約束して時間も指定するけれど、何度言っても言い訳をされ、結局話ができないなどの状況が繰り返され、アフリカの人だから仕方がないと分かってはいるけれど、やっぱり許せなくなってきて、サイコーにモチベーションが下がりまくって、ガッツが全くなかった。
結局、母親学級も・・・
産婦人科外来と理学療法室が交代になり、新しく外来部屋となった元理学療法室の待合では、クーラーがついていないから、暑くてできないと言い出し、一旦中止。
でもさぁ、暑いといっても、動かないし、話すだけだから、大丈夫なんやけれどなぁ。
と感じつづ、若干お手上げ状態になり、ガボンへ旅立った。

ガボンから帰ってくると・・・
ストライキは、どうやら休戦状態の様子。
なので、一応、ドクターは勤務しているし、オペもしている。
母親学級は、新しく場所を確保できたようで、今は、その部屋が母親学級用になるのを待つという感じ。

URGNCEでは、相変わらず、衛生活動をメインにしているけれど…
私の残り1か月半の活動の行方は…?

今日は、感染性医療廃棄物を片づけていたヤスミンが、スタッフが使ったであろうジュースのストローが医療廃棄物のごみ箱から出てきて、「あっ!?」という反応をした。
いや~、これだけで、大満足。
一昨日、スーパーバイザーが来て、感染性医療廃棄物のごみ箱の中に、お菓子袋や黒のビニール袋などが入っている事を注意していった。そして、昨日、感染性医療廃棄物に、お菓子のビニール袋を捨てるスタッフを見て、みんなの前で、注意した。「ごめーん、忘れてた」と言っていた。「どこに捨てないといけないか知ってる?」「うん、黒いごみ箱」「本当に忘れていたの?それとも、めんどくさいから?」「忘れていた。ごめん。」という会話をしたばかり。

そんな中、最近は、仕事中に患者さんがいるにも関わらず、同僚と世間話をすることが多くなってきました。
(ついに、私もベナン人化?!)
気になっていたことを聞いてみた。
患者さんのカルテを見ていると、時々夫の名前が不思議な時がある。
NoëlやBienvenuという名前。
これを日本語に訳すと
「クリスマス」と「ようこそ」的な意味になる。
ベナンでは、そんな名前が存在するようで、他にもあるのかと聞いてみると…
パスカリンいわくAu revoir(日本語「さよなら」)
んなわけ、ないでしょー!!


パスカリンと。
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プロフィール

★☆mami☆★

Author:★☆mami☆★
Béninという西アフリカにある国で、妊産婦死亡率・乳幼児死亡率の改善にむけ、奮闘中!!

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